根岸の地図
最近根岸倶楽部から出版された根岸の地図は、大槻博士(大槻文彦)の制作で、地形がとても正確なだけじゃなくて、われわれ「根岸人」にとって、かなり面白く、趣深い感じもある。私たちの住んでいる所は今、「
…田舎路はまがりくねりておとづるる人のたづねわぶること
と博士は書いている。中にも鶯横丁はやたらとクネクネ曲がっていて、特にわかりづらく、せっかく訪ねてきたのに迷子になって、諦めて帰ってしまう人も多いだろう。
1901/1/18
今回のように引用文がある場合は、原則原文のまま載せることとします。
ちなみに、引用文を要約すると…
「生垣にサザンカやカンチクの生垣が並んでいて、似たような風景が続いていたんだけど、やっぱり風流だったネ。でもそれらももうだいぶ少なくなって、今っぽい石レンガの塀なんかもできて、歴史のある銘木は切られ、古い奥州路の地蔵は退かされ、ウグイスの巣なんかは鉄道の騒音で落っこちて、クイナの鳴き声も汽笛にかき消され、もう風流なんて言ってられん。昔のままなのは、クネクネしたわかりずらい道だけだわ...」
といったところか。