ここ数年苦しんでいた局部の痛みに加えて、左横腹の痛みが去年よりも強くなって、今はもう筆を執ってものを書くこともできない。てなもんで、書きたいことも書けず、全部腹にたまって、もう心まで苦しくなってきた。
こうなってしまったら、生きていくのも辛い。
では、どうやって、病床の喜怒哀楽イライラ等々を発散しようか。
そこで考えたのが、「墨汁一滴」という企画。これは長くて20行くらい、短いもので10行か5行、さらには1行や2行でもいい、ちょっとでも余裕のある時に、浮かんだ事を何でも書いちまおう、そうすれば何も書かんよりはマシだろう、というもの。
これはなにも、あまりにも幼稚でバカげたことを読者に見せようという訳ではない。毎朝病床で新聞を開いたとき、自分の書いた文章を見て、ちょっと気分を揚げたいだけなんである。
筆禿びて返り咲くべき花もなし
1901/01/24
タイトル回収です。ここでは「長くて20行」と書いてますが、これ以降、興が乗ると苦痛を忘れるのか、それとも調子がいい日なのか、あるいはめっちゃ怒ってるのか、結構書きまくってる日もあります。
なんにしても、書くことで発散して、翌日新聞紙面で自分の文章を読むことで、それを日々の慰みにしていたようです。
新部良仁