Nobo-Sanのボクジュー一滴

正岡子規『墨汁一滴』の超・現代語訳ブログ。やっぱり柿うまい。

元義の歌②

  送大西景枝


真金まがね吹く吉備の海に、朝なぎに来依きよ深海松ふかみる、夕なぎに来依る○みる、深みるのよせて来し君、○みるのよせて来し君、いかなれや国へかへらす、ちゝのみの父を思へか、いとこやのいもを思へか、つるぎ太刀たち腰に取佩とりはき、いにしえふみを手たにぎり、国へかへらす

 

 

  十二月五日御野郡の路上にて伊予の山を見てよめる歌并短歌


百足ももたらず伊予路を見れば、山の末島の崎々、真白にぞみ雪ふりたれ、並立なみたちの山のこと〴〵、見渡みわたしの島のこと〴〵、冬といへど雪だに見えぬ、山陽かげともの吉備の御国は、住すみよくありけり

 


  反歌

 

吹風ものどに吹なり冬といへど雪だにふらぬ吉備の国内くぬち

 

(1901/02/18)

 

 


 

 前回と今回は、原文そのままの掲載なのですが、これを手抜きと言ってはいけない。結構ルビ振るのって大変なんですよ。

 例えば、はてなブログで「正岡子規まさおかしき」というルビ付きの文字を書こうとしたら、「<ruby><rb>正岡子規</rb><rp>(</rp><rt>まさおかしき</rt><rp>)</rp></ruby>」という文字列をいちいち書き込まなきゃいけない。ワンタッチではいかないんです。

 ってなことを頭に入れておいていただけると、これ以降もっとエゲツないルビ地獄が待っているので、その際には「あらまあ、タイヘンだったのネ」とおもってください。

 

新部良仁/div>