Nobo-Sanのボクジュー一滴

正岡子規『墨汁一滴』の超・現代語訳ブログ。やっぱり柿うまい。

「漢字の話」に対するご指摘

 私は漢字の識者というわけではない。それ故に今更に誤字に気づいた程なので、私の書いたことの中にも、きっとヤラカシた部分があっただろうな、と危ぶんでいたら、果たして、ある人物からご指摘をいただいた。

 なので、記事内容の訂正のためにこれを掲載し、併せてその好意に感謝する。

 

――(略)「賴」「瀨」「獺」「懶」などのつくりは「負」である、「頁」ではない、とお書きになりましたが、「負」でもなく、「負󠄁であり、「貝」の上は「刀」でございまして、「勝負」の「負」とは少し異なります。これらの字は「剌」から音をとっています。

 また、「」の下は「壬」ではなく「𡈼(テイ)」でございます。「」、「」もまた同様です。

 このような些細なことでございますが、気づきましたので――(一老人より)

 

 また別の人からは

 

――(略)「菩薩」、「薩摩」の「薩」は元々せつであった。博愛堂『集古印譜』に「薩摩国印は薛...」とあり、訳経師が仮釈として、「薛」に点を2つ追加したものを、元明の時代からは「産」の字に書くようになり、字典では「薩」としたものである。唐の国では決して「産」で書かない...云々。

 こういった誤りは字典にもあり、鹿児島人も仏教家も一般には知らぬのであれば、正したい理由を教えてほしい。

 

(1901/03/08)