Nobo-Sanのボクジュー一滴

正岡子規『墨汁一滴』の超・現代語訳ブログ。やっぱり柿うまい。

魚心あれば...

 遠洋に乗り出してクジラの群れを追い回すのは壮快に感じられるが、佃島で白魚船がかがり火を焚いている景色などはとても美しく感じられる。

 太公望のように百本杭で鯉を釣っているのも面白いが、小さな子供が破れたザルをもってシジミを掘っているのも面白い。

 

 しかし、竹の先に輪をつけて臭い泥溝つついてアカイコ(東京ではボーフラ)を取っては金魚の餌として売るという商売に至っては、実に一点の風流もない。それでも分類すると、コレもやはり漁業という部に属するのだそうな。

 

(1901/05/22)