加賀
この雑誌の中の「重箱楊枝」と題するコーナーに
俳諧に何々顔といふ語は、
宿札に仮名づけしたるとはれ顔
とある、恐らくこの辺からの思ひつきであらう。
とかいてあった。私はこんなことを言ったかどうかは忘れたけれども、もし言ったとしてあら、それはマチガイであった。「~顔」という言葉は、俳諧から生まれた言葉ではなく、古くは『源氏物語』などにもあり、「空も見知り顔に...」という一文を挙げて前年『ホトトギス』のQ&Aの欄に書いたこともある。なので、連歌時代の発句にも、
又や鳴かん聞かず顔せば
などがある。なお、俳諧時代に入っても、元禄より前に
寺に寐て
などもその一例である。ちなみに、
(1901/03/24)