Nobo-Sanのボクジュー一滴

正岡子規『墨汁一滴』の超・現代語訳ブログ。やっぱり柿うまい。

国学者・元義

 元義は大丈夫として、日本男児として、そして国学者として 自らを任じており、詠歌のようなものは趣味の領域である。

 古学に対する彼の学説は、大いに傾聴に値するものに違いないが、今日において遺稿のような十分な資料が残っていないのがまことに残念である。

 今回は、彼の歌の中でも多少その主義を感じられるものを、以下に抜粋する。

 


  失題
おほろかに思ふな子ども皇祖すめおや御書みふみれる神の宮処みやどころ

  喩高階騰麿
すがの根の長き春日はるひいたずらに暮らさん人は猿にかもおとる

  題西蕃寿老人画
ことさへぐ国の長人ながひとさかづきに其が影うつせいもにのません

  和安田定三作
今日よりは朝廷みかどたふとみさひづるや唐国人からくにびとにへつらふなゆめ

  備中闇師城に学舎をたてゝ漢文よませらるゝときゝて
暗四鬼くらしき司人等つかさびとたちねがはくは皇御国すめらみくに大道おおみちを行け

  失題
大君おおきみ御稜威加賀焼みいつかがやく日之本荷ひのもとに狂業須流奈たわわざするな痴廼漢人おそのからびと

 

(1901/02/22)