元義の感情の激しさは、時として狂態を演じることがないではないが、もともと彼は、堅固な信仰と超絶な見識の上に立って、自分の主義を守るために生き抜いた。だから決して、「恋の奴隷」となって朽ち果てたのではない。
なので、彼の歌には「吾妹子」に次いで、「ますらを」という語もよく使った。このことからも、彼が堂々たる立派な風格を持った人物であり、それを自覚していたことをうかがい知れる。
以下、ますらをの歌。
西蕃漢張良賛
望加佐米山
高田のや
自庭妹郷至松島途中
大井川朝風寒み
遊于梅園
失題
鳥が鳴くあづまの旅に丈夫が
業合大枝を訪ふ
元義は「
これは対極するような二つの要素が入り混じった元義の性情を表したものに他ならない。
(1901/02/21)
「ますらを」は「丈夫」「大丈夫」といった字があてられるのを見てもわかる通り、「男らしい」「堂々たる」「日本男児」「マッチョマン」的な意味があります。
外見のみならず、性格もまた優れていることが条件なんでしょう。たぶん。