『日本』に寄せられる俳句を見ると、地方ごとに俳句の調や、その他もろもろに多少なりとも特色がある。なので、同じ地方同士の人間は、万事面白いほどよく似たものがいる。
同一の俳句、あるいはよく似た俳句が同地方の二人の人物から、ほぼ同時に届くことがしばしばあるが、この場合はどっちがどっちをパクッたのか判然としないので、どっちもボツにする。
ある地方で俳句会が盛んになると、その会員の句はみな面白いものになり、逆に俳句会が衰えると会員がことごとくヘタになってしまうのは不思議である。
句風以外の特色を挙げようか。
鳥取の俳人は
出雲の人はむやみに多く句を作る癖があり、京都の人の投書は4,50句程度である。
大阪の人が使う紙は、「大阪紙」ともいわれるキメの粗い紙が多く、
はがきに2,3句書いてくるのは、どの地方でも共通で、初心者が必ずすることである。
(1901/02/28)