名前しか聞いたことのない人物の容姿を、あんなかな、こんなかな、とそうぞするのは誰もがやることだろう。で、実際に会ってみてみると、たいていは意外な顔かたちをしていて驚くことになる。
最近、永井破笛の日記を見ると、次のような一節があった。
東京
『日本』紙上連日の俳句和歌時に文章如何にしてこの人より出づるかを疑ふまでに余は深き感に撃たれたり。
蕪村忌写真中余の面識ある者は鳴球氏一人のみ。前面の
そういえばこの前、ある雑誌に「竹の里人が禿頭を振り立てて」などと書いた投書があった。「竹の里人」を6,70歳の老人だと思ったのだろうか。
もしもこういった人たちの想像通りに、いろんな人物の容貌を描かせたら、もっと面白いだろう。
(1901/03/16)
いろんな人物名が出てきましたが、大半は以前に登場したね。初登場、だと思われる(記憶があいまいです)ヒトだけ、簡単に紹介をします。
永井破笛…俳人・永井耕雨の甥で、同じく俳人。郡山に日本派の俳句結社「群邦吟社」を結成。
鳴球…岩田鳴球。俳人。三井物産勤務。ちなみにこの後、大正7年に宗教団体の「大本」に入信。は機関誌の編集に携わる。
竹の里人…子規先生の別の雅号。35歳で没しているため、同然ながら老人ではない。
それにしても、川東碧梧桐って、やっぱりチャラい感じがしますよね。