Nobo-Sanのボクジュー一滴

正岡子規『墨汁一滴』の超・現代語訳ブログ。やっぱり柿うまい。

端午の節句の柏餅

 5月5日には柏餅といって、柏の葉に餅を包んで祝うことはどこでも一緒だろう。

 

 昔は「善夫ぜんぶ」を「かしわで」といって、歌にも「旅にしあれば椎の葉に盛る」ともあり、食物を木の葉に盛った事もあるのを、今となっては、5日の柏餅だけがその名残をとどめているのが少々惜しい所。

 柏餅の歌を作る。

 

 

  椎の葉にもりにし昔おもほえてかしはのもちひ見ればなつかし

 

  白妙しろたえのもちひを包むかしは葉の香をなつかしみくへど飽かぬかも

 

  いにしへゆ今につたへてあやめふく今日のもちひをかしは葉に巻く

 

  うま人もけふのもちひを白がねのうつはに盛らずかしは葉に巻く

 

  ことほぎて贈る五日のかしはもち食ふもくはずも君がまに/\

 

  かしは葉の若葉の色をなつかしみこゝだくひけり腹ふくるゝに

 

  九重ここのえ大宮人おおみやびともかしはもち今日はをすかもしずさびて

 

  常にくふかくのたちばなそれもあれどかしはのもちひ今日はゆかしも

 

  みどりのおいすゑいはふかしは餅われもくひけり病ゆがに

 

  色深き葉広はびろがしはの葉を広みもちひぞつゝむいにしへゆ今に