Nobo-Sanのボクジュー一滴

正岡子規『墨汁一滴』の超・現代語訳ブログ。やっぱり柿うまい。

おみくじの真相

 この前書いたおみくじの内容だが、ある人から『三世相』の中にある元三大師がんざんだいし御鬮みくじしょう解説文だと言って全文を写して送られてきた。そのなかには、「 佳人水上行かじんすいじょうにゆくについて、

 

  かじんすいじやうにゆくとはうつくしき女の水の上をあゆむがごとくわがなすほどのことはあやふく心もとなしとのたとへなり

 

 とある。また、不見月波澄げっぱすむをみずに関しては、

 

  きりふかく月を見ざればせめてみづにうつるかげなりとも見んとすれどなみあればみづのうへの月をも見る事なしとなり

 

 とあり、その次に、

 

○病人はなはだあやふし ○悦事よろこびごとなし ○失物うせもの出がたし

○待人きたらず…………… ○生死あやふし……………

 

 などとある。当たっていることが多い。

 

 前年に、神戸病院を出て故郷に保養していた時に、結構衰弱していたのだが、ある日勇気を出して半里ほど郊外に出た石出寺いしでじを見に行った。その時、本堂の縁に腰かけて休みながら、その傍に落ちていた紙片を拾って開いてみたら、この寺のおみくじの札であった。凶のくじであったが、「大病あり、命には障りなし」などと書いてあり、その当時の感じとしては的中していたといえよう。

 

 こういったこともあるので、こういったくじや占いなんかに対する迷信も芽生えてきた。

 

(1901/04/21)