Nobo-Sanのボクジュー一滴

正岡子規『墨汁一滴』の超・現代語訳ブログ。やっぱり柿うまい。

病床の色彩

 春雨降りやまぬ。退屈な病床。天井を見れば風車が5色に輝き、枕辺を見れば瓶の中の藤が紫で1尺ほど垂れている。

 ガラス戸の外を見れば庭いっぱいの新緑が雨に濡れて、山吹は黄色がだいぶ薄れて、ボタンは薄紅の1輪が咲き始めている。

 

 やがて、絵の具を出してもらって、5色、紫、緑、黄、薄紅...。

 

 さて、どの色を描こうか。

 

(1901/04/29)